経 ( けいけん ): 
教 育
芝浦工業大学専門職大学院「工学マネジメント研究科」に入学して

芝浦工業大学は2003年4月から、日本初の専門職大学院「工学マネジメント研究科(MOT)」をスタートさせた。
私は、独学で学び、経験的に進めてきたマネジメントをMOTにて改めて学んで見る事にした。
ここでは、MOTで学んだこと、私が研究や勉強をして気付いたことなどを紹介する。


◆◇ 2004年(平成16年) 02月の出来事 ◇◆


2004年02月29日(日)
 
特別課題研究:研究レポートを読む(3)
 富士通総研(FRI)経済研究所の主席研究員、安部忠彦氏の研究レポート「なぜ企業の研究開発投資が利益に結びつきにくいのか」を読んだ。
 レポートでは、企業の研究開発投資効率の低下問題について報告している。
 効率低下現象は、『開発投資が製品に結びつかないのではなく、利益に結びつきにくくなっている。』からだと報告している。
 『製品化のスピードアップ要請が強まり、キーデバイスを購入するケースが増加し、自社のコア技術獲得が難しくなりつつある。』
 『企業のアイデンティティの不明確さやコア技術の弱さなどがある。』を企業運営上の状況変化として報告している。
 それらの対策として『研究開発投資効率の向上には、コア・コンピタンスの明確化による製品と特化やシナジー効果のある製品群への絞込みと同時に、
製品に用いる技術の融合化による差別化の強化、スピード要請への過剰対応でキーデバイスまで手放すのではなく、コア技術の強化によるキーデバイスの維持、
さらに技術の秘匿や生産技術の強化など企業に蓄積されたクローズな技術活用による差別化が必要になる。』
 『今後、研究開発投資を利益に結び付けるには、企業のCEOやCTOなど経営トップ層の役割が大きくなる。』を提言している。
 トップの企業ポリシーによって、これから企業収益構造は変わる。
 企業を担うトップのオペレーションこそ、日本企業再生の鍵を持っているのだ。
 変革の方法は見えている。CEOやCTOなど経営トップ層の改革への強力なリーダーシップが、いま求められている。

<参考文献> 安部忠彦「研究レポート:なぜ企業の研究開発投資が利益に結びつきにくいのか」No.178、Oct.2003、富士通総研経済研究所

2004年02月28日(土)(v2)
 
MOT的思考:MOT的経営
 MOTキャンパスで、NTTドコモの元社長、大星さまの講演を聴くことができた。
 話に情熱が感じる。講演の場に心地よい緊張が漂う。
 予定の2時間を越える講演に、MOTスピリットを感じることができた。
 自分のなかにある「MOT的経営は、これだ」という自分の「暗黙知」に問いかけを行えた。
 講演が終わっても持続する感動が残った。大星さまからは、大きなエネルギーをいただくことが出来た。
 大星さまは、大物経営者であるとの印象が強く残った。

 今となっては当たり前のように思えるドコモの繁栄。
 その立ち上げには、種々の苦労とMOT的センスでの、常識的知識を打ち破る改革が進られ、
今日のドコモが構築されてきていることが大星さまの話で分かった。
 大星社長の経営ポリシーは、「ドコモを発展させるのは、テクノロジーである」ということと、その実践だと思えた。
 自動車電話で開発が進められた移動電話は、重たく、高価で、良く回線が切れた。
 これを今日の携帯にするには、本体を軽くすること。良く切れる電話を、基地局を自動車電話時代の
線から面へと設備することで、設備投資を挑戦的に行い、エリア拡大を業界の先頭に立ってやった。
 保証金を取ることを止める。「お金を払わないなら、電波を止めれば良い。」という考えにかえる。
 競争が激しくなって、競合社と比較すると、基地局建設コストが高いことに気づく。
 マージンを取りすぎている基地局の建築基準の見なおしを行った。
 携帯の先行きを早い時期に読んで、コンテンツ配信という、データ加工事業に目を付け大きく伸ばしてきたのは、Iモードである。
 インターネットが発展してきたなどの、Iモード成功の背景には運もある。
 ポイントは、量から質への変化を行わせること。付加価値が取れるようなもでなければならない。
 人材は、自分のところにいなければ連れてくれば良い。
 携帯が、ここまで発展してきたには、シャープを参入させたことだ。
 □失敗では、減点しない。成功したら、加点する。
 □事業は、人間をハッピにさせることをしているのである。自分がハッピーでなければ出来ない。

2004年02月27日(金)
 
MOT的思考:たゆまぬ挑戦
 『次世代IP電話システムの全貌』と題する日経コミュニケーション主催のセミナーに参加した。
 講演では、三菱商事、豊田通商、三菱重工の各社が最近導入した、IP電話システム立ち上げの事例報告を行った。
 報告を聞き感心したのは、まだまだ問題が内在する段階での導入決断である。
 各社ともベンダーとともに開発しようとする意欲とリスクをとってでも新システムを開発しようとする取り組み姿勢である。
 このようなスピリットがあってこそ、日本を変えていくことが出来るのだと見たからである。
 (1)三菱商事
  品川新ビル移転時に、NEC製IPソフトフォン1000台の導入を決定。2003年5月から本格稼動している。
 (2)豊田通商
  無線IPフォンCisco7920の導入を行う。
  特徴として、@一人、一電話番号、A社内ロケーションフリー、B組織改変への迅速対応、C人的資源の有効活用が報告された。
  今後は、社内ネットワークのIP統合を進める。
 (3)三菱重工
  品川新本社ビル移転時にIP電話2200台の一斉導入を行う。2003年5月に移転を完了、運用開始。
  電話機能、保守コスト、保守実績面を評価してNECのシステムを採用した。
  IP電話採用の理由は、@配線の統合化、Aレイアウト変更の容易性、B将来の工場間通信でのコスト削減を上げている。
 
2004年02月26日(木)
 
特別課題研究:研究レポートを読む(2)
 富士通総研(FRI)経済研究所の主席研究員、安部忠彦氏の研究レポート「価格下落脱却に向けた企業のR&D活動」を読んだ。
 レポートでは、価格下落脱却に向けての、企業レベルでの対応策を検討している。
 販売単価下落の理由は、「国内他社との競合」がもっとも多く、次に「需要の落ち込み」と報告している。
 企業が実施している価格下落対策は、「効率化を目指した仕入れコスト削減策」が比較的多く、価格下落傾向は当面継続するとみている。
 しかし、将来的には新製品開発や高付加価値化などが志向されており、すでに取り組んでいる企業で成果もでている。
 企業が、新製品開発や高付加価値化対策を選ぶ割合と、その企業の業績との間には正の相関関係がみられ、
これらの対策を成功させることが重要である。
 研究開発活動の効率が下がった原因は、
 @企業の横並び体質の強さ。
 A競合他社と差別化された独創的な技術が少なく、収益性に結びつかない。
 B価格が維持され易いサービスやソリューションの提供・新たな価格提供よりも、ハードの機能差別化にこだわっている。
 C市場が縮小しつつある従来市場に執着しがちなこと。
が上げられている。
 各企業に求められる方策で特筆すべきものは、「改良特許から独創的差別化技術・特許戦略への転換」である。

<参考文献>安部忠彦「研究レポート:価格下落脱却に向けた企業のR&D活動」No.145、Oct.2003、富士通総研経済研究所

2004年02月25日(水)
 特別課題研究:研究レポートを読む(1)
 富士通総研(FRI)経済研究所の主席研究員、安部忠彦氏の研究レポート「企業の研究開発における社外資源活用の実態と課題」を読んだ。
 レポートでは、研究開発の近年の特徴として、社外支出研究開発費の急増があり、それは、社外資源を活用することが活発化しているからだと報告している。
 社外資源を活用してまで取り組む目的は、『新製品開発のスピードアップや技術獲得にある。その背景には、利益確保手段が、生産設備や生産ノウハウの保有から、
特許による保護や製品の先行的な市場化競争に電気機械や精密機械がシフトしたことがある。』と報告している。
 『利益確保手段が急変した。電気機械や精密機械の特徴は、技術開発が他分野以上に急速に進み、モデルチェンジ期間が短縮され、
製品開発スピード競争が進み、社外資源活用が活発化した。』
 『社外資源活用における問題は、従来の自前主義を前提とした体制や姿勢から転換が進んでないため、必要な社外技術を見出し獲得する
マネジメント力やその評価力不足、組織不足、社外技術の吸収能力不足などである。』
 『自前主義からの脱却のためには、外国人技術担当部門長(CTO)の採用、技術経営(MOT)教育がより必要である。』とまとめている。
 見えないところでは、戦略的に取り組んで成功している企業もいるとみる。
 『研究者の流動性が進む』との報告があったが、日本において組織に頼らない研究者が出てくるには、まだ時間がかかるとみる。

<参考文献>安部忠彦「研究レポート:企業の研究開発における社外資源活用の実態と課題」No.164、Oct.2003、富士通総研経済研究所

2004年02月24日(火)
 
MOT的思考:キャットイヤーといわれる急激な変化
 ネットワーク周りの機器の変化を見ていると、ドッグイヤーからキャットイヤーへと
変化しているように思える。製品ライフサイクルがまだまだスピードを持って変わっている。
 標準化は、デファクトが主流となって流れているように見える。
 しかし、このデファクトも長い歴史に支えられて育成されてきたことが分かる。
 目先で見ると猫の目のような変化とCATイヤーといわれるライスサイクルの変化。
 その裏で技術は、長い長い時間をかけて熟成されて、今、出現していることを見逃してはならない。

2004年02月23日(月)
 
慶応大学メディア・コミュにケーション研究所所長の林教授を訪問した。
 近況報告とともに、現在手がけている「エンジニアリング・ブランド」について
自分の考えていることを報告するとともに、ご意見を伺った。
 早速、先生から、
 山田英夫著『デファクト・スタンダードの経営戦略』(中公新書)、中央公論社
 山田肇著『技術競争と世界標準』NTT出版
 新宅純一郎他j著『デファクト・スタンダードの本質』、有斐閣
 岡康道、吉田望著『ブランド』、宣伝会議
を読むようアドバイスを受けた。
 『デファクト・スタンダードの経営戦略』は余計にあるからと、先生からいただくことができた。
 「ブランド」は、ポリシーだ、「セキュリティー」もそう思える。
 ブランドが、企業戦略だとすると、抽象的な概念から、科学性を帯びたセオリーになりうる。
 日本では、「マーケティング」を学問だと思ってない人達がいる。
 しかし、外国からの受け売りでは駄目だ。
 「日本人による、マネージメント書が必要だ」を話しあった。
 1時間があっというまに、過ぎさってしまった。
 
2004年02月21日(土)
【MOT自主ゼミ】「マス・メディア研究」
 嶋矢先生の『【MOTゼミ】マス・メディア研究』の第二日目が終わった。
 今回の事例研究の発表では、生徒自らが参加し、発表することに取り組んだ。
 参加者が自由な意見を言い合いながら、一人ひとりのなかに真理が形成されることを狙う。
 スタート時点では、結論は見えないが、参加した学生が疑問点をぶつける中から真理が見えてくる。
 日本では、そのような授業を体験することは、なかなか出来ないが、今回のゼミでは、それが出来たと満足している。
 それは全員の参加があって、こそ可能だ。
 嶋矢先生と特別参加のUさんには、準備を含めて大変お世話になった。
 Uさんは、某大学の大学院生で先生ところで助手のアルバイトをしている。
 学生の一員として、討議の中に溶け込んでいただいて、積極的な意見を述べる中、ゼミを盛り上げてくれた。
 参加した、一人ひとりの熱意で、印象に残る、ゼミが出来あがったと満足している。
 時期をみて、皆さんの協力を得て、また印象に残る役立つゼミを企画させてもらいたい。

2004年02月20日(金)
【MOT自主ゼミ】「マス・メディア研究」
 嶋矢先生の『【MOTゼミ】マス・メディア研究』の第一日目が終わった。
 今日は、大変有意義な時間であった。
 ITサービス提供の世界に私自身いながら、広報、広告のあり方など、
きちんとした企業の情報戦略構築が私の中に出来上がっていなかったことに気づいた。
 企業におけるリスク管理の一つに、広報活動がある。
 情報開示にスピードが求められる時代、正確で、かつ組織的統制がとれた迅速な対応が求めらる。
 事例研究で取り上げた、「みずほ」、「雪印」、「日本ハム」、「厚生労働省(SARS)」、「道路公団」など
トップの振る舞いも問題だが、企業内の広報組織が幼稚であったとも指摘できる。
 今日も、引き続き「マス・メディア研究」のゼミが行われる。
 情報操作は、新しい『MOT学』でもある。
 明日のゼミでも、新しい発見が出来ることに大きな期待をし、胸を躍らせている。

2004年02月19日(木)
 
MOT的思考:作業現場に立つ(2)
 機械室にいると、一見無駄な時間が過ぎていく。
 20℃を切る室内でじっとしていると、体の体温維持が困難になる。
 体調が悪いと、風邪を引く。気合を入れて、そこにいる必要がある
 この時間のなかに新しい発見がある。
 サーバーは、パソコンメーカの”デル”しかない。
 ルータは”シスコ”だ。
 伝送設備に昔の伝送装置は無い。
 日本の装置で目立つものは、見当たらない。
 技術の空洞化の責任はだれがとれるのだ。
 こんな、マイナーな気持ちになった。

2004年02月18日(水)
 MOT的思考:作業現場に立つ
 今週は、機器搬入や工事が立て込み、私自身が現場に立っている。
 現場で職人さんの動きを見ていると、4名の作業者がコミュニケーションをとって実に良く、
連携して仕事を進めている。
 その動は無駄がなく「美しい」とも思った。
 ディスクワークが多いと、何時しかこの現場を忘れてしまう。
 一日、20℃をきる部屋にいると、体は冷え込んでしまう。
 体調維持をするのは、大変な職場だ。

2004年02月17日(火)
【MOT自主ゼミ】「マス・メディア研究」
 MOTゼミが、20日と21日に行われる。
 組織の責任者になったら「マス・メディア」のことを理解して、利用できる心構えが必要だ。
 嶋矢先生に指導を仰ぎ「企業広報のあり方」、「企業の社会的責任」のテーマに取り組んでいる。
 事例研究として、『失敗からの教訓今こそ問われる広報戦略』(学研)から下記テーマを選んだ。
  1.東京電力
  2.三菱自動車工業
  3.みずほ銀行
  4.日本ハム・雪印食品・農林水産省(BSE)
  5.厚生労働省(SARS対応)
  6.日本道路公団
 発表者は発表に際し、
  (1)失敗事例の概要
  (2)当該企業の社会へのメッセージ
    広報のあり方としてどうであったか
  (3)問題点の整理
    「企業の社会的責任」上の視点から
  (4)発表者としての本事例に対するミニコメント
をA4版1枚にまとめ報告することとなった。
 事例発表を通しての討論で、具体的な「マス・メディア研究」に取り組む。

【参考文献】 『失敗からの教訓今こそ問われる広報戦略』
(広報戦略研究所編、学研、2003年9月刊)

2004年02月16日(月)
 
MOT的思考:経営と簿記の知識
 マネージャは、簿記を学ばなくてはならない。
 こんな話しを大学卒業まじかのTさんに話す機会があった。
 経営する立場になくても、仕事や商売がきちんと収益を得ているかを数値で把握した。
 マネージメントの基本に「数値で事業の状態を把握する」がある。
 マネージャのあなたは、現在どれほどの「数値管理」をしているか。
 その数値管理の基本は経営状態の把握だ。
 数値管理の基礎的知識が簿記になる。

2004年02月14日(土)(v2:2/20/2004)
 
特別課題研究:児玉先生
 毎土曜日ごとに2時間、児玉先生はゼミの指導をしてくれることとなった。
 今日、取り組んでいるデータ分析で気づいたことは、
1991年をピークに80年代と90年代では様相が大きく異なることだ。
 1980年から1991年の経済成長と1991年から2000年までの経済成長が
大きく異なっていくことに気づいた。
 どのような経営環境の変化が起こったのか。
 その要因を見つけだだそうと思った。
 データを分析して、見えてきたら、その内容を報告する。

2004年02月12日(木)
 MOT的思考:ビジネスと営業
 経営者の条件の一つに「営業ができますか」がある。
 「出来る」か「出来ない」かでは、大きな差が出る。
 6日の会合で会った人から電話があって今日訪問を受けた。
 人の出会いは、すべて勉強になる。
 営業の基本は、単に売る、買うではなくて、情報交換が基本だ。
 私も、今日の時点で2名のかたと、アポを取った。
 会っても、すぐに直接ビジネスに結びつくかは分からない。
 しかし、話し会いが出来て、いろいろな情報を入手することが営業の基本なのだ。

2004年02月11日(水)
 MOT的思考:リーダは弱音を吐くな
 リーダとなるもの「帝王学」を学ぶ必要がある。
 何んでもかんでも話しをして良いものではない。
 やってはならないのは、部下を集めて自分の思っている不安感を率直に部下に話してしまう行為だ。
 話しをしたリーダは、胸のつかえが取れて一瞬すっきりするかもしれない。
 しかし、聞いた部下は、動揺して仕事にも影響が出てくる。
 リーダは、胸の奥にしまって、リーダシップを発揮し、不安原因の解消に取り組む。
 リーダが話すのは、『良くなるための方針』を明確に指し示すことだ。

2004年02月10日(火)
 新しい研究:自分のための自主研修
 やっとレポートを出し終えた。
 なんと11のレポートを書いた。
 お正月休みもなく、12月中旬から、2月上旬まで、レポート、レポート、レポートであけくれた。
 さて、暇になってボケてはいけないと、三つのテーマに取り組むこととした。
 やっと、自分のために研究の時間がとれた。
 (1)特別課題研究で児玉先生の指導を受けて『産業創出過程論』に取り組む。
 (2)『エンジニアリング・ブランド』を整理する。
 (3)『ソフトウェア開発入門』 ―良いソフトは、良いドキュメンテーションを作ることから―
 とのテーマで指導書作りに取り組む。
  今日は、早速、MOTの自分の机で(3)の『ソフトウェア開発入門』に取り組んだ。

 **昼、外に出ると太陽の日差しが強くなっていることを、感じます。春は、そこまで来ています。**

2004年02月09日(月)
 MOT的思考:イノベーション企業の創生
 日本において次世代に生き残れる企業は、イノベーション技術を持ち世界をリード
できることが可能なイノベーション企業でなければならない。
 以下にクリステンセンの『イノベーションのジレンマ』をヒントにイノベーション企業の創生の
取り組みを検討したので報告する。
 @ 開発投資:顧客ニーズを先取りする形の開発を手がけ、イノベーション技術
  をベースにニーズを創造するための開発を長期的視点に立って取り組む。
 A 技術者の育成:イノベーション技術を開発できる技術者の育成に取り組む。
 B 新規市場開拓:破壊的商品が評価される新しい市場を見つけるか、自ら市場
  を開拓することを手がける。スモールスタートで市場動向をみながらビジネスに参入する。
   市場を探る過程では、失敗してもできるだけ損失が少なくなるように計画する。
 C マーケティング:市場側が商品特質を理解できない状態で市場調査をしても、
  正確なデータは得られない。商品化後に顧客からイノベーション商品作りに必要な情報
  を得るようにする。
 D 変化する技術への対応:今までの経緯を大切にするのではなく、使用する
  イノベーション技術を今の状況と将来予測をもって問題点を明らかにし、イノベー
  ション技術を使いこなすことに専念する。
 E 集中と選択:事業取組が明確になったら、段階的に事業の集中化を行う。
   イノベーション事業へは安易に参入してはならないし、イノベーション事業をいった
  ん始めたら問題が見えたからと言って安易に撤退してはならない。撤退判断も、
  問題解決に取り組んだ後とし、撤退にあたっての判断は過去の経営判断に左右されずに行う。
 F 組織改革:今までの組織や仕事のやり方を利用しない。立ち上げる新規事業は、
  最適な人材を社内にこだわらず、グローバルに人材調達を行う。

[参考文献] クレートン・クリステンセン(玉田俊平太監訳):『イノベーションのジレンマ』翔泳社(2001)

2004年02月08日(日)
 
ネットワーク・セキュリティ関連者が集まる「大新年会」に参加したことは6日に報告した。
 その会合で3年ぶりにお会いした、慶応大学メディア・コミュにケーション研究所の林教授が
「4月から大学院大学を副学長で立ち上げる」とのこと。
 いただいた名刺にボ―ルペンで www.iisec.jp とメモされて渡された。
 そのサイトをアクセスすると、セキュリティに的を絞った、大学院大学構想であることが分かった。
 ”情報セキュリティ大学院大学”が新しい大学院だ。
 『セキュリティー』は、これからの研究分野、常に通信の世界に前向きな視点で捉えている林先生にエネルギーを感じた。

2004年02月07日(土)
【MOT自主ゼミ】 「マス・メディア研究」の開催のご案内
 嶋矢教授による【MOT自主ゼミ】「マス・メディア研究」の日時が、
以下のように決定したのでお知らせを掲示する手続きをした。
 すでに23名の登録者がいる。
 「登録ない方でもお時間の都合つくかたございましたら、参加お願いします。」
と掲示には記載した。
 私が幹事の代表として、進めてきたゼミだ。
 企業の責任者になるには、リスクマネージメントの一つであるが、
「マス・メディア」のことを知って、利用できるような心構えが必要だ。
 マスコミ出身の嶋矢先生にお話ししたら、快く引き受けてくれた。

(1)担当:嶋矢志郎教授
(2)基本テーマ:「マス・メディア研究」
(3)研究テーマ
  @「企業広報のあり方」
  A「企業の社会的責任」
(4)場所講義室 1(404号室)
(5)日時
 2月20日(金)「企業広報のあり方」
 @ 18時10分 〜 19時40分
 A 19時50分 〜 21時20分
 2月21日(土)「企業の社会的責任」
 @ 13時30分 〜 15時00分
 A 15時10分 〜 16時40分
※21日のゼミ終了後、懇親会を行います。

2004年02月06日(金)
 
インターナショナル・ネットワーク・セキュリティ株式会社(INSI)が事務局を勤める
「大新年会」が霞ヶ関ビルの33階ある東海大学校友会館で開かれた。
 INSIは、「ネットワーク・セキュリティー」のコンサルを長年手がけている会社だ。
 INSIの社長からメールで直接のお誘いもあり、参加した。
 参加者にはセキュリティ・ビジネスを手がけている方が多く、100名を越えていた。
 パーティを終わって交換した名刺を数えたら約30枚、新しい出会いがまた出来た。

2004年02月05日(木)
 
 「地球社会論」(嶋矢先生)のレポートがほぼ終わった。
 「異文化コニュニケーション」というテーマで奮闘して来た。
 門外漢ではあるが、真っ向から取り組んだ。
 一番苦労したのは、本を読んで理解したものを、いかに自分の言葉で表現するかであった。
 まとめとして、書いた内容の一部を紹介したい。
 (1)異文化コミュニケーションの基本を学んだ
 文化、習慣の違いに対して、相手の立場を理解し、
違いを意識し尊重することがコニュニケーションの基本である。
 自分の側に引き込んで同化させる必要は無い。
 議論を対等にするためには、それぞれが自分の足で立っていることが前提なのだ。
 対話は、相手を尊敬することができ、自分と相手が平等であることを
認識したときに初めて成り立つ、ということを知るべきだ。
 (2)日本のグローバル感覚に誤りはないのか
 「日本の異文化に接したとき、外国での生活と比較して特異性が目立ち、
最初のころは受け入れることができなかった」と多くの帰国した女性がいう。
 日本に生まれても、海外で仕事をしたことのある女性にとっては、
日本の異文化性が、異質に感じ、理解しがたく、大きなストレスとなってのしかかる。
 外国人の感覚から日本の異質性を整理して感じたことは、
現状の異質性が異質性を通り越して病んできているようにも感じた。
 日本独特の異質性を国際的な観点で見たとき「地球人として、
気品を無くしていないか」との疑問がわいてきた。
 「気品を無くして、グローバル社会は生きられない」は、私の持論でもある。

2004年02月04日(水)
  「英国の二つの法体系」(岩井克人:東大教授)、朝日の夕刊の記事から紹介する。
 「イギリスは面白い国です。憲法がありません。六法全書もありません。」
 恥ずかしい。。。。知らなかった。今も、憲法議論をしている日本。
 「過去の判例こそ、法律であると考えているのです。」
 イギリスには、長い間コモン・ロー裁判所とエクイティ裁判所の2つの裁判所があり、
それぞれがコモン・ロー(普通法)とエクイティ(衡平法)という異なった法体系に基づいて裁判を行っていた。
 1873年には、2つの裁判所は統合された。だが、それぞれが築き上げた法体系はなくならず
現在でも、、コモン・ローとエクイティの共存こそ、イギリスの法体系の最大の特徴となっている。
 「『私の欲しいものを下さい、そうすればあなたの欲しいものをあげます・・・。』
『このようにして、私たちは必要としている他人の好意の大部分を手に入れるのである。』
『私たちが夕食を食べられるには、肉屋や酒屋やパン屋が慈悲深いからでなく、自己の利益に
熱心だからである。私たちは彼らの博愛心にではなく、自己愛に訴えるのである』
「国富論」の中のアダム・スミスの言葉である。ここでスミスは、資本主義社会では、対等な個人
が自己利益を求めて自由に契約関係を結んでいきさえすれば、社会全体の利益が増進すると
主張しています。そこでは、道徳心や倫理感などは必要ないというのです。」
がイギリス資本主義の基本となる考えだという。
 こんなこと知らなかった。技術馬鹿だった。まだまだ勉強することはある。
 「それでは、もう一方のエクィティとは何なのでしょうか?それはEQUITYをカタカナにしたものです。
法律の教科書では衡平(法)という訳語が用いられますが、本来は正義や公正といった意味をもつ言葉です。」
 「たとえば子供と後見人との関係です。・・・コモン・ローの下では、後見人に悪意があれば、
法的な所有者として簡単に土地を自分のものにできてしまいます。まさにこのような事態を正義や公正
といった見地から救済するために作り上げられたのが、エクイティなのです。」
と日本の常識では考えられない法体系をもって、イギリスは運営がされてきている。
 以上の新聞記事から「資本主義の原点はここにあった」と気づき、改めて勉強してみようと思った。

2004年02月03日(火)
 
シリコンバレーで知り合ったSさんとお会いした。
 現在は、大手企業の経営企画部門にいて、今なお日々勉強中である。
 お会いしたときに企業における「新規事業の創成」について議論した。
 どこの企業でも、新規事業で困っている。
 私の持論だが、1980年代は技術革新が激しいく、技術主導で「イノベーション経営」をやっていた。
 いまは、大きな改革が実際は進行しているが、誰にでも分かるテーマはない。
 改革しなくて良いという保守的思考が企業内をはびこる。
 枠組みが、有利な世の中なのだ。しかし、それでは企業は衰退してしまう。

 そのとき私からは、テーマにしている「エンジニアリング・ブランド」についてSさんに説明したら、
「サービスマーケティング」ということが研究されていることの紹介を受けた。
 彼女は「エンジニアリングもサービスの一種なので 当てはまる点もあるかと思います」と言ってくれた。
  ●サービスでは、3Pが重要
   3P=People(誰がサービスを提供するか)
     Physical evidence(クオリティを知覚させる手段,)
     Process
   −「サービスはプロミス」
   −サービスでは「クオリティ」が重要。
   −クオリティは、Reliability, Responsivnessなど

2004年02月02日(月)
 
 「地球社会論」(嶋矢先生)のレポートで「異文化コニュニケーション」をテーマに奮闘している。
 私の異文化体験をレポートに書こうと検討したので、紹介する。
 ■運転免許試験■
 運転免許証の試験でのことである。
 第一回目の実地試験で、減点箇所が多く、3点不足で落ちたのだ。
 採点用紙は、内容説明のあと、コピーを返してくれる。
 オフィイスに戻ってから、再度点数を計算すると、なんと3点減点のところ7点減点していることが分かった。
 交渉すべきか再試験かで多少、躊躇したが、交渉したらどうなるか興味もあったし、
英語の勉強になると元気を奮い起こし運転試験場(DMB)に出かけた。
 始め窓口の担当は相手をしてくれなかったが、めげずに話しを進めたら、
試験担当部門のマネージャが会ってくれることとなった。
 黒人で体の大きい女性のマネージャは、話しを理解したらしく「試験担当を見つけて連れて来い」という。
 そこで試験が終わってあがってくる試験官をその特徴を思い出して、やっと担当の試験官を見つけることができた。
 試験官に「試験結果について、クレームをつけたら、お前のマネージャが『担当官を連れて来い』と言われた。」と説明したら、
「分かった」と言ってくれた。試験官は、マネージャと話した後、「俺の間違いだ」と私のところに謝りに来て、快く否を認めてくれた。
 結果的には、一回で路上試験が通った。日本で、こんなこと出来る余地があるのか。「米国では、主張することが大切だ」を実感できた。
 日本より、米国の方が話しが分かると思った。
 私にとってのシリコンバレーでの異文化コミュニケーション体験は、比較的好調なスタートだった。

2004年02月01日(日)
  「地球社会論」(嶋矢先生)のレポートに取り組んでいる。
 テーマを「異文化コニュニケーション」に絞りこんだ。
 一度紹介したことがあるが、再度イラン大統領のモハンマド・ハタミ氏が著作した 『文明の対話』から、
対話に関する内容の一部を紹介したい。
 対話をする場合、相手との関係をどのように保つかは重要な問題だが、実際には分からないことが多い。
 ◆文明との対話◆
 西洋文明とイスラム文明との衝突が各地で起きている。
 グローバル化の進行に伴って、イスラム社会を理解せずに地球人になることは出来ないようだ。
 イスラム社会が未来に向かって前進するためにハタミ氏が提言していることに関して、
われわれも同じような視点で相手の文明も文化も見直す必要がある。
 さらには、相手を理解したら、自分たちの文明も文化も改めて見直すことも必要だ。
 ハタミ氏は『世界のどこのどのようなことであろうと、われわれはそれを理解し、
人類の思想や文明が生み出した優れた成果をすべて、自分のものにしなければならない。』、
『 他の文化や文明が生み出した優れた成果の恩恵を、積極的に利用していかなければならない。』
と主張しており、非常に新鮮に聞こえる。
 われわれ文明の中で無意識に身についた考えは、同質のなかでのみ通用する狭い考えになっていないか見直したくなった。
 『「文明との対話」は、人々のあいだの平等と国々のあいだの平等を意味している。
言い換えれば、相手を尊敬し、自分と相手が平等であることを認識したときに、初めて対話が成立する。』、
 『文明の対話を開始するにあたって、もうひとつの大切な条件は寛容であること。』は、われわれに対する警告とも受け取れる。