経 ( けいけん ): 
教 育
芝浦工業大学専門職大学院「工学マネジメント研究科」に入学して

芝浦工業大学は2003年4月から、日本初の専門職大学院「工学マネジメント研究科(MOT)」をスタートさせた。
私は、独学で学び、経験的に進めてきたマネジメントをMOTにて改めて学んで見る事にした。
ここでは、MOTで学んだこと、私が研究や勉強をして気付いたことなどを紹介する。


◆◇ 2003年(平成15年) 12月の出来事 ◇◆

2003年12月31日(水)
 ○ このコーナを見に来ていただきありがとうごさいました。○
 「毎日見ているよ」という方も多いので、できるだけ毎日更新を心掛けております。
  「情報を発信し、情報に対する意見が返ってくる。」という繰り返しを通して、
情報を提供することの責任を痛感いたしました。
 直接は会話したことの無い多くの方が、このサイトを通して一瞬に情報を共有しています。
 良し悪しはともかく、ここの情報に影響を受けて意見が返ってきます。
 今年の4月からMOTに通い、いろいろなことを学んできました。
 30数年間、仕事一途に取り組んできた自分にとっては、MOTで学ぶことが新鮮でした。
 いま知識の幅を明らかに広げることができている楽しさがあります。
 できれば課長になる前あたりに、学校に通ってマ
ネージメントの勉強をしておけば良かったと思いました。
 
マネージメントの知識をもっていれば、もっとすばやい展開や対応ができたという実感がMOTで学んでみてあります。
 本年はありがとうございました。
 来年もよろしくお願いします。
 このコーナを見にきてくれるかたの、ご多幸をお祈りいたします。

2003年12月30日(火)
 「国際金融(白石先生)」のレポートに取り組んでいる。
 与えられた課題の中に、「中国の元のこと」、「中国の光と影があり」、資料を調査している。
 調査をすると、世界の経済を左右している中国の急成長に気がつく。
 クレディ・スイス・ファースト・ボストン アジア担当チーフ・エコノミストの陶冬氏が書かれた記事
「世界に影響を与える過剰設備」(日経2003.12.18)を要約して紹介したい。
 ・ 中国の過剰設備は、世界の生産能力の分布をがらりと変える可能性をもつ。
 ・ 鉄鋼生産を例にとると中国の現在の生産高は年産2億トンで、日本と米国を合わせたよりもすでに生産高は多い。
   それでも今年1月から10月までに3100万トンを海外から輸入している。
   国内鉄鋼メーカはこの輸入分をカバーしようと軒並み設備拡張に走っている。
   中国の年間鉄鋼需要は現在2.2億−2.3億トンであるが、2005−06年には、2.7億ト−3億トンに達すると見る。
   新規生産設備が稼動すれば生産能力は、年産4億トンになってしまう。
 ・ また携帯電話の生産能力は、現在では、年産2億台と、昨年の世界販売量のほぼ43%相当に達している。
   4年前にはわずか3500万台だったが、2005−06年には3億−3.5億台に達す見通しだ。
   中国メーカによれば、1台あたりの製造コストは20ドル以下に下げられるという。
   これが本当なら、世界中で2G(現行世代)規格の携帯電話を製造するのは中国メーカだけになるだろう。
 ・ 過剰設備は鉄鋼や携帯電話にとどまらず。幅広い産業に広がっている。

 中国の過剰投資といわれる新規設備が稼動し始めたら、中国のコストに対抗できるメーカは少ないと見る。
 中国の生産拡張が世界の製造業の勢力図を塗り替えてしまうことは容易に想像できる。

2003年12月29日(月)
 プロジェクト演習:「経営上の重点戦略としてのIR(対策投資家広報)活動とその狙い」(白石先生)
のレポートを書き終えた。
 以下の内容は、レポートに書いた”まとめ”の一部である。
■アニアルレポートに書かれた社長方針をじっくりと読んで分析すると、経営の実像が見えてくる。
 日本におけるIRの取り組みは遅れているといわれるが、企業のIRサイトにおける情報開示は進んできている。
 会社間のIRコーナを比較しながら調査すると、新聞、雑誌を読むだけでは得られない経営の苦悩や
ポリシーや企業展望が見えてくる。
 プロジェクト演習では、演習参加者である学生が、担当の企業のIRサイトの分析結果を持ち寄って報告してくれた。
 各学生の分析した情報は豊富で、報告内容は新鮮だ。
 報告を聞くことで最新の企業実態が分かり、大変楽しい演習となった。
 先生のアドバイスも適切で、プロのアナリストとディスカッションをしているような臨場感があった。
 
 最後に、「プロジェクト演習」での演習と実践的アドバイスを通じて、
長年の企業活動から体得した示唆に富むIR評価とともに経営実態分析の手法について、
ご教授、ご指導をいただいた今は亡き白石教授に深く感謝の意を表したい。
 白石教授の最後の講義を受講できた幸運に改めて深謝申し上げるとともに、
 白石教授から学んだ知識や情熱を世の中に役立ことができるよう精進することを決意した次第です。■

2003年12月28日(日)
 「コーポレートガバナンス(岡本先生)」のレポートを書いた。
 今回の講義で使われた『コーポレート・ガバナンス論』(土屋、岡本著)では、
コーポレート・ガバナンスの本質を徹底的に見極め、その基本理念に基づいて活力ある、
健全な事業運営に役立つコーポレート・ガバナンスの解明に取り組んでいる。
 経営者になろうとする人は、会社を経営するための企業感を自分の中に整理しておくべきと考える。
 先生の著書では、コーポレート・ガバナンスに関する様々な角度での整理がされている。
 企業運営に携わるときの悩みに充分答えてくれる参考書になるものと確信した。
   
2003年12月27日(土)
 「研究計画の建て方と論文の書き方(嶋矢先生)」の特別講義をゼミ形式で受講した。
 夏の合宿の時の懇談会の席で、自分が一番苦労してきたことは「文章を書くこと」であると伝え、
先生から教えていただきたいと、勝手なお願いしていた。
 『文章書けずしてマネージメントは出来ない』は私の持論である。
 日本経済新聞社の論説委員を長年経験された実績と経験に基づく文章論は、
実践向きでロジカルなものであった。
 参加者、14名。貴重な時間を使って受講した成果は充分であったと自負している。
 今後のゼミ計画だが、2月には、『マス・メディア研究』ゼミナールを開催し、
企業広報のあり方、企業の社会的責任について、講義とケース研究を混じえて
先生から教えてもらう予定だ。現在のゼミ登録者は20数名。

2003年12月25日(木)
 今日は、白石先生の通夜にでかけた。
 10数名のMOT仲間が参列した。
 まだまだ学びたかったことが多かった先生だ。
 先生への思いが断ち切れなくて、お清めは翌日まで続き、家に着いたのは、2時近かった。

2003年12月24日(水)
 「情報管理システム(水町先生)」の講義がおわりレポートを書いた。
 □ 航空通信のいろいろなシステムを学ぶ中で、最先端の技術を使い安全運行のために監視システムを
  開発してきた発明家の工夫と苦労を強く感じることができました。
   技術開発の歴史に触れることで、技術マネージメントを学ぶことができました。
   本講義は私を含めて2名で受講できるという、個人指導に近い形でご指導頂けたこと、
  また随時、私どものわがままな質問に答えていただき充実した講義を受けられたこと幸運であったと思っております。
   講義の密度は非常に高く、且つ効率的であったと思います。
   先生から伺った航空機事故調査委員の経験談は、リスク管理を学ぶ上で、非常に参考になるものでした。
   あつかましく申し上げると、情報システムを運用する上でのリスク管理などを
  もっと教えていただければ良かったと思っております。
   先生の事故調査での経験は、一つのケーススターディとして学べるのではないかとも思いました。
   それらのケースをプロジェクト演習の場でもう少し掘り下げて生徒間で議論することは、
  より生きたMOTでの生きた演習になると感じました。 □
 以上の内容を感想としてレポートに書き込んだ。

2003年12月22日(月)
 悲しいことがあった。
 白石先生が亡くなった。
 先生には、難しいお願いを何度かして、
快くでは無いのだが、必ず私のわがままなお願いに答えてくれた。
 前期は、2,3会話しただけで先生の講義を受講して無かったが、
私のことを良く覚えてくれていた。
 後期は、「国際金融」と「プロジェクト演習」の指導を受けていて、
土曜日の午後6時まで授業を受けていた。
 先生の後期授業が丁度おわった。

 
月曜日の夜7時ごろに事務室に行き、白石先生の訃報を知った。
 月曜日までの約束で先生にお渡しするものがあっただけに、
私の落胆は大きかった。
 先生からは、いろいろな局面で重要なことを教えていただいた。
 白石先生との交流の中で先生の優しさや誠実さに触れることができた。

 先生からいただいた講義課題は、素晴らしいレポートにして残したい。
 家に帰って、先生に渡すはずのものを仏壇にあげ、線香をあげ冥福を祈った。
 月曜日は、大変悲しい夜だった。

2003年12月21日(日)
  「コーポレート・ガバナンス、土屋、岡本著」の本をレポート作成のために読み直している。
 本のなかにある、”専門経営者の業績評価”を紹介したい。
 経営者個人の業績指標として考えられる要素には、次のようなものがある。
 @後継者および部下の教育・育成
 Aステークホルダーとの良好な関係
 B充実かつ誠実な業務遂行
 C環境変化に対応した組織ビジョン、戦略の決定とその遂行
 Dリーダシップの発揮による組織効率の向上
 E適正な業績目標の達成
 F顧客満足度の向上
 G従業員満足度の向上
 全てを満足させることは困難だが、業績は絶対落とせない。
 業績目標が達成できているときは、全ての項目が満足しているように思える。
 

2003年12月20日(土)
 MOTの学生有志による忘年会に参加した。
 この1年間は、戦いをしてきた。
 基本は自分に対してだ。
 仕事との両立は大変な負荷である。
 MOTで学ぶことを家でのレポート作業を含めて残業換算で考えると100時間
を越えるようにおもえる。
 MOTでは、学生同士が学びあってやってきた。
 

2003年12月19日(金)
 お客さんのMさんには、MOTで学んでいることを伝えてある。
 学校に出かけているため、お客様の要望に応えられないことがありうるからだ。
 本来はこんなわがままは、許されない。
 先日お会いしたとき「MOTはどうですか」と聞かれたので、
「大変楽しくやってます」と答えたら即座に「どうして楽しいのですか」と。
どき、考えないところに質問がきた。
 理由も考えずに”楽しい”という実感をもつことはあるのだ。
 とんちんかんな答えでもいけないので、「この次までに考えておきます」と回答をさけた。

 ・ 知識を増やしているという自己達成感
 ・ 学習することで、いままで知らなかったことが分かってきた満足感
 ・ 見識を広めることで、社会のメカニズムが見えてきた
 ・ この知識を仕事に活かそうとおもう充実感
 ・ 起業家としての夢を持つことができる
 以上の5点を今日のところ思いついた。

 
2003年12月18日(木)(v2)
 MOT的思考:
 物づくりを考えた。
 ”物づくり無くして日本の再生はない。”
 IT関連機器では、輸入品が多い。
 設計・開発技術と、製品化した商品を設置する技術では
比較できないほどの技術レベルにおける差がある。
 設計・開発もせずに、OEMで出来たの物だけを扱っていると時間とともに技術は空洞化する。
 物づくりをしない限り、工学的知識をあまり必要としないからだ。
 「物づくりをやらなくなると、技術レベルが低下し、技術の空洞化が起こる」が私の思いだ。


2003年12月17日(水)(v2.H15.12.31)
 
「ベンチャーの創造なくして日本の再生はない(中村明著)」を改めて読み直している。
 その本の中で、”何がベンチャーの発展を妨げているか”の章から紹介する。
 ・ 世界最低の起業率日本
 ・ ”規制”こそが、ベンチャー最大の敵
 ・ 大学教育の現場にも大問題
 ・ あまり恵まれすぎていた日本
 ・ ”サクセス・ストーリー”が少なすぎる
 ・ ベンチャーキャピタルの力不足
 という項目見出しでも見ただけでも内容が伝わってくる。
 是非、一読をお勧めしたい。


2003年12月16日(火)
  「コーポレート・ガバナンス(岡本先生)」の授業が今日で終わった。
 会社は誰のものかという議論が残る。
 従業員のもの、株主の者とか、言われるが、
最大権力権限を握った経営者の暴走をいかに統制出来るかが課題である。
 企業で重要なことは、トップに立つものの倫理感や企業感にある。
 倫理感や企業感が、その組織の行く末を決定づけているとみる。
 最高権力者を選定する仕掛けが、コーポレート・ガバナンスでは重要になる。


2003年12月15日(月)
 
「技術政策論(田島先生)」の授業が終わった。
 日本の国レベルの技術政策の誤りが講義の中で先生から指摘された。
 日本の雇用への取り組みの遅れも指摘された。
 日本の景気対策は、金融に向いた制度改革のみで、国民に向けられてない。
 付加価値を生まない組織を温存しても、国力は向上しない。
 先生の講義の底流を流れていたのは、”一般消費材の需要が拡大しない限り景気の回復はない”である。

2003年12月14日(日)
 
「プロジェクトマネジメント(西村先生)」の授業の試験が16日に行われる。
 試験の対策をしてみよう。
 キーワード(略語)を集めてみる。
 PDCA:Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(是正)
 QCD:Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)
 CST(リスク):Cost(コスト)、Schedule(スケジュール)、Technical(性能)
 WBS:Work Breakdown Structure
 PERT:Program Evalution and Review Technique

2003年12月13日(土)
 MOT的思考:
 「研究開発マネージメント(原先生)」の今日の講義は、開発リーダの資質等にかんするもの。
 "プロジェクトが計画通りに進まない原因の95%はリーダに原因がある”といわれる。
 会社で伸びる人を分析したら、会社に入った時の上司で決まるという。
 上司に恵まれることは、一つの運かもしれない。
 リーダに求められる能力は、
(1)先天的能力:人間的魅力、リーダシップ能力
(2)座学で学べる能力:戦略、マネージメント知識の学習
(3)経験で学ぶ能力:成功体験、マネージメント能力
といわれる。
 企業にとって、開発リーダの育成は重要である。

 育成は教育と戦略的人事ローテションにより行う。


2003年12月12日(金)(v2)
 MOT的思考:エンジニアリング・ブランド(3)
 「エンジニアリング・ブランド考察」というテーマでマーケティング論の授業の中で報告する機会を得た。
 私が考えていた技術よりのマーケテイング活動について、自分の言葉で報告した。

 私のこだわりは、市場創成型新商品のブランドを構築する過程では、エンジニアリング
的な解説を市場や顧客に対して十分に出来ない限り、ユザーは商品に対して関心を示してくれない。

 
商品に関心を持ってもらい、商品に対する理解を深める過程で、ブランド形成が出来ると見る。
 エンジニアリング的な裏づけがあって初めて商品に対する信頼が形成される。
 以上のように”エンジニアリング・ブランド”に対して思う。
 いままで学んだ”ブランド”学では、技術的匂いがあまり伝わってこない。
 「ブランド構築には、ロジカルなエンジニアリングの話は害になる。」との意見も聞こえてくる。

 
 
今回、勇気を出して「エンジニリング・ブランド考察」を報告した背景は以上である。
 私は、もっとMOT的立場でブランド構築プロセスを研究する必要性を感じている。

 
最近は、この”エンジニリング・ブランド”を意識して仕事をしている。
 客にあっての営業活動、ベンチャー企業とのミーティング、展示会や広告の企画など、
いろいろなところで、エンジニアリング要素が主要テーマとして取り上げられる。

2003年12月11日(木)
 
休みだというのに宿題が終わらないので学校に出かけた。
 どうにか明日のマーケティングで発表するブランド論の整理がついた。
 私の発表にどんな反応が得られるか。
 常に今でもこだわりを持っているブランドに”技術に対するもの”がある。
 自分は、商売で製品も会社も売らずに"技術”を売っていた。つまりエンジニアリングを売っていた。
 共同開発などパートナーをビジネス上で組もうとするとき、やはりブランド評価は技術に向けられる。
 技術を対象としてブランドを、"エンジニアリング・ブランド”と呼びたい。


2003年12月10日(水)
 プロジェクト演習(白石先生)では、「経営上の重点戦略としてのIR(対策投資家広報)活動とその狙い」
について取り組んでいる。
 プロジェクト演習参加者である学生それぞれが、企業のIRサーイトの分析結果を持ち寄って報告してくれる。
 各学生の分析した情報は豊富で、報告を聞くのは新鮮だ。企業実態が分かり、演習は楽しい内容となっている。
 先生のアドバイスも適切で、プロのアナリストとディスカッションをしているような臨場感がある。
 私は、アニアルレポート分析に戸惑っているが、社長方針をじっくりと読んで分析してくると、経営の実態が見えてくる。
 日本におけるIRの取り組みは遅れているといわれるが、企業のIRサイトにおける情報開示は進んできている。
 IRコーナを見て、会社間を比較しながら調査していくと、経営の苦悩やポリシーや企業展望が見えてくる。
 

2003年12月09日(火)
 
 「コーポレートガバナンス(岡本先生)」に関連していまの思いを報告する。
 企業は誰のものと議論がある。
 まずは経営者のものだろう。
 資本を出してくれている人がいれば、株主の物であるとの解釈もある。
 従業員がいれば、従業員のものとの見方もある。
 経営者、株主、従業員のバランスがとれてコーポレートガバナンスが成り
立つ。
 
この3者間のバランスの構築は経営者のポリシーであるといえる。

2003年12月08日(月)
 土曜日に行われた「地球社会論」で報告した"情報・通信産業のユダヤ人"について
内容の一部を紹介する。
 インテルのアンディ・グローブは、ゴードン・ムーアとともにインテル社を創業した。
 グローブは、ハンガリー生まれの亡命ユダヤ難民である。
 彼は、前日どんなに遅くまで残業しようが、始業時間の8時を過ぎたものは守衛所で
「遅刻者リスト」に署名させられた。
 さらには、グローブが大切にした経営方針の一つに社員教育がある。
 一人の中間管理職が自分の部下10人に1回1時間の講義を3回行うことで、
一人当たりの生産性が1%改善したら、10人では大きな効果がでてくる。
 インテルでは、惜しみなく巨額のお金が教育のために投資されてきた。
 (参考文献)「アメリカ経済のユダヤ・パワー」佐藤唯行著、ダイヤモンド社

2003年12月07日(日)
 
MOTの授業も3週間をきった。1月の試験を除くと12月の授業で1年目の後期は終わる。
 後期は、授業を受身でなく主体的に取り組むことに挑戦してきた。自分の中にどんな変化があって
どんな成果があったかは未知数だが、前期とは違って楽しくMOTに通えたことは確かである。
 後期は、仕事と授業がぶつかり、何度か休まざるを得なかった。
 さて、春休みの2月になったら、特別課題研究に取り組む。春休みがいまから楽しみだ。
 何か世の中に役立つ研究成果が出ることを夢見たい。
 
2003年12月06日(土)
 MOT的思考:エンジニアリング・ブランド(2)
 なぜお客さまは、実績の無い商品を買ってくれるのか。
 ベェンチャを起業したら、最初に直面する課題だ。
 購入を決定した段階でキーマンに、ブランド・イメージが形成されたとみる。  
 そのブランドとは何だろう。
 ブランド・エクイティを高めるための行動とはどのようなものか。
 ブランド形成プロセスと前提条件を思いつくままに列挙してみる。
  (1)お客様は商品を技術的に評価(機能、性能、安定度、品質、保守、拡張性、実績)する。
  (2)多くの場合、お客様はエンジニアである。
  (3)技術者は、お客様に会ったら、真のニーズを聞き出して、お客様から学ぶ姿勢が重要である。
  (4)お客様は機器(商品)導入による付加価値を評価(導入効果、競合社との差別化)出来て購入する。
  (5)お客様は技術的アドバイザー(コンサル)として役立つかで担当技術者を評価する。
 (6)お客様と未来と夢を語ることができる関係 を築いていく。
 以上のコニュニケーションプロセスを通じて、お客様の中に“エンジニアリング・ブランド”が自然に形成される。

 
エンジニアリング・ブランドは、エンジニア、人そのものがブランドの核となる。

2003年12月05日(金)
 昨日、幕張のセミコンショーに出かけた。半導体の展示会は盛況だ。
 日本のメーカ、製造設備では、まだ世界をリードしているとみた。
 展示会場を歩くと数箇所で昔の会社の人から声をかけられた。
 再建中のO社は展示会に参加していた。業績を順調に伸ばしているようだ。
 良い会社になることを願い、会場を後にした。


2003年12月04日(木)
 土曜日に行われる「地球社会論」では、ユダヤについて各人が調査して
報告することが宿題となっている。
 ユダヤ人がビジネスでいかに成功をしているかは、その取扱いがタブーであった。
 それは、ナチス時代に「ユダヤ人がドイツ経済を支配している」という理由で迫害を受けたからだ。
 私の仕事の分野である情報・通信産業で活躍するユダヤ人を紹介したい。
 @オラクルの創業社主ラリー・エリソン:世界第2位のパソコン・ソフトメーカ
 Aマイクロソフト社のCEOスチーブン・パルマー:世界1のパソコン・ソフトメーカ
 Bデル・コンピュータのマイケル・デル:パソコンメーカ最高経営責任者
 Cインテルのアンディ・グローブ:ゴードン・ムーアとともにインテル社を創業
 Dブルームバーグのマイケル・ブルームバーグ:金融情報サービスブルームバーグを創業
と驚くべき人材が米国で事業を進め成功している。
 「主要なIT産業は、ユダヤ人の手の中にある。」言っても言いすぎさはない。

2003年12月03日(水)
 土曜日に行われるプロジェクト演習「IR活動(白石先生)」の発表準備に取り組んでいる。
 私にIR活動(Investor Relation)の知識はない。IRとは何だろうと思いながら学んでいる。

 
先日の授業では、生徒が調査する企業を先生と相談の上決めた。
 私は、丸紅と三菱商事の2社を選んだ。
 IR活動は、投資家(株主)向け企業情報活動である。
 アメリカのGEが1953年に取り組みを始めた。
 日本では、外国での資金調達(エクイティ ファイナンス)の折や、外国人株主の多い企業を中心に取組みが始まった。
 現在は、9割以上の上場企業がIR活動に取り組んでいる。

 
投資家からみた重要情報は、
 (1)業績見通し、(2)部門別業績見通し、(3)経営トップの生の声、(4)損益の増減分析、(5)中期的な収益目標
などである。
 IR協議会は、会員企業を対象に”IR優良企業”を選定しており、2003年度に受賞した企業は、
 (1)キャノン、(2)テルモ、(3)ニチレイ、(4)日東電工、(5)藤沢薬品工業、(6)ユナイテッドアドーズ
であり、いずれも優良企業である。
 奨励賞として、(1)オプテックス、(2)PALTEK(パルテック)が受賞した。
 IR優良企業は、株価も高いとのデータもあり、企業価値を高める手段としてIR活動への取組みが評価されている。
 私の調査は、丸紅、三菱商事についてIR活動の実態を報告する。

2003年12月02日(火)(1206H15v3)
 MOT的思考:エンジニアリング・ブランド(1)
 「マーケティング(亀井先生)」の授業で、亀井先生から昨日、このコーナで紹介した、
”ブランド・エンジニアリング”はあるが、”エンジニアリング・ブランドはないと聞いていた。
 MOTのテーマとして、”エンジニアリング・ブランドを考察してみる。
 
 −”ブランド・エンジニアリング”とは−
 日本人は、匿名で発言できる場をインターネットで見付け、「物を言わない日本人」から変わって来ている。
 消費者の考え方や行動パターンが変わるとき、付き合い方も変わらなければならない。
 変化し続ける消費者を前に、ブランドづくりのあり方がどう変わっていかねばならないか。
 固定的なモデルから時代とともに変わるモデルはあるのか。
 顧客と一体化し、共に進化していくための仕組みはどんなものか。
 ブランド作りの本質に照らし、その仕組みのデザインと運用とはなにか。
 以上の考察が、”ブランド・エンジニアリング”である。

 −”エンジニアリング・ブランド”とは−
 基本的に”エンジニアリング・ブランド”は対象を”エンジニアリング”に的を絞ったブランド考察である。
 MOT的マーケティングでは、この”エンジニアリング”にこだわってブランド戦略を論じる必要がある。
 技術者が購入決定者である場合の販売活動では、”エンジニアリング・ブランドエクイティ”
の向上に時間をかけて、戦略的で計画的に取り組む。
 このエンジニアリング販売戦略は、一般消費財の販売とは大きな違いがある。
 感覚的感性行動で購入する一般消費行動とは、購入意思決定者の行動が基本的に異なる。
 以上のように、”エンジニアリング・ブランド”を考えてみた。

 ■”ブランド・エンジニアリング”と”エンジニアリング・ブランド”とは、単語を上下させただけであるが、
意味合いは大きく異なる。MOT的思考で、”エンジニアリング・ブランド”について取り組んで見たい。
この課題の分析こそMOTマーけティングと思えるので、日々考え、その結果を随時報告したい。■

2003年12月01日(月)
 「ブランド・エンジニアリング(片平著、日経BP社)」を読んでいる。
 この本のなかで、ブランドを作る3つの力が紹介されている。
 1.夢を育む能力
 2.おもてなしをする能力
 3.顧客から学ぶ能力
 ここで、注目したのは普通の能力を要求していることだ。
 でも、この簡単なことをどれほど心がけてブランド作りに取り組んでいるのか。