経 ( けいけん ): 
教 育
芝浦工業大学専門職大学院「工学マネジメント研究科」

◆◇ 2003年(平成15年) 11月の出来事 ◇◆


2003年11月30日(日)
 日曜日だというのに会社にでた。
 事業採算性を向上させるためのマーケティング委員会に参加するためだ。
 委員会が早く終わったので、自宅近くの図書館に立ち寄った。
  「社会地球論(嶋矢先生)」の中で、「ユダヤ宗教が世界にどう影響を与えてきたか」
というテーマで次の土曜日に報告することとなっているからだ。
 グローバル社会では、いろいろな民族と仲良く共存しなければならない。
 学ぶべきことは多い。

2003年11月29日(土)
  「研究開発マネジメント(原先生)」の授業の中で聞いた日本における
経営戦略を進める上での問題が。
 「選択と集中」の”選択”は出来ても、”集中”、つまり事業撤退が出来ない。
 先生からこのことを聞いて、どこでも同じかと再確認する。
 トップの先見性と強いリーダシップ力がないと、事業の撤退は難しいと再確認した。

2003年11月28日(金)
 シリコンバレーに働くLさんがサンクスギビングの休暇を使って来日した。
 「シリコンバレーは序々に元気が出てきた。」と彼女がいう。
 米国のサンクスギビング休暇は、集中して休暇をこの時期にとって、クリスマスまで続く。
 この時期、みんなが休んでしまうため、日本の正月のように仕事にならない。

2003年11月27日(木)
 MOT的思考:
  昨日は6時の新幹線で大阪に出かけた。
 予定の仕事を終えた後、アポなしでKさんの所に出かけた。
 ITの話になり、IT不況だと良く言われるが日本ではITを利用して
成功している企業は多いとの話題となった。
 セコム、セブンイレブン、アスクルなど成功ビジネスモデルがある。
 共通にいえることは長年かけて他社の追従を許さないシステムを構築していることだ。
 ITは手段であって目的ではない。

2003年11月26日(水)
  「脳を鍛えるやさしいパズル(西村先生著、成美堂出版)」を読み始めた。
 この本は、西村先生の講座を受ける生徒に無料で配られたもの。
 大阪出張の新幹線のなかで読み始めたら、なかなか面白い。
 是非、「脳を鍛えるやさしいパズル」を読むことをお勧めしたい。
 クイズ形式で、読む人の思考の硬さを柔らくさせながら、
マネージメントを学ぶことができる本である。
 
2003年11月25日(火)
  「プロジェクトマネジメント(西村先生)」に授業でリーダの条件を学んだ。
 ・意思決定を素早く。
 ・方針を明確にできる。
 ・仕事の状況を理解できる
 簡単そうでできるリーダは少ない。

2003年11月24日(月)
  MOTの後期授業も半分を過ぎた。
 後期は、仕事との板ばさみで何度か授業を欠席せざるを得なかった。
 MOTの授業は楽しい。大学時代には考えられなかったことだ。
 欠席はつらいが、仕事で夜遅くまで働いている仲間と問題を検討しているとき、
その職場を抜け出して学校に行くわけにはいかない。
 もう後期も終わる。「MOTに入って自分を高めることが出来たのか」と自問自答してみる。
 MOTでマネージメントを学び、徐々に知識が自分のものになってきている。
 だめな自分に出会っても、理想を捨てずにあきらめない事が大切だ。
 
2003年11月23日(日)
  MOTの卒論にあたる特別課題研究がスタートした。
 自分は地道に児玉先生の研究の経緯をたどってみることとした。
 過去のデータを分析することで、技術の未来を予測する。
 先生は技術の経緯を数値で評価し、構造化し、未来を予測してきた。
 私が感じる児玉先生の魅力は、その学問の実績にある。
 最終的には、私の経験プロセスで取った事業判断を、データを見つけて客観的に
構造解析し、総括してみたい。

2003年11月22日(土)
  MOT的思考:
  今日行われた芝浦工業大学大学院工学マネージメント研究科の第一回MOTシンポジウムに参加した。
 ベンチャービジネスを起業するときの最大の悩みは、、研究開発とビジネスとの間の橋渡しだろう。
 パネル・ディスカッションに参加したボードファームの吉川社長からは、懇親パーティーの中でも貴重
な事業取り組みに関する考えを聞くことが出来た。
 吉川社長は、ボードファームをはじめ種々の特許等を使っての事業化(起業)に成功している。
 事業化までには、1年以上かけて特許使用権やノウハウの取得などに時間と労力をかけている。
 ベンチャーを起こすとき、どんな良いアイディアがあっても、他人の権利を侵害してはビジネスにならない。
 技術が分かって、ビジネスが分かって、事業化が可能となる。次に人だ。良い人材を集めている。
 事業化を行うときに立ちはだかる死の谷は多い。いかに越えるかはベンチャーを起こすときの重要な課題だ。
 
2003年11月21日(金)
  MOT的思考:
 「守破離」という言葉は、西村先生の先日の授業の中できいた。
 昔、コンサルから聞いて、感銘したことが思い起こされた。
 今日になって頭から 「守破離」が離れない。その思いを報告する。
 何事も基本は、”守”にある。”破”から入ったら、めちゃくちゃだ。
 学校では、常に”守”を教えてくれる。何事も、きちんと”守”を身につけて、一人前になれる。
 しかし、時間をかけて"守”を身につけた人の多くは、自分を守って”破”に至らない。
 ”破”の意見に、敵愾心をもつ。
 最終目標地点である”離”にいたることが出来るのは、本当にごく少数者である。

2003年11月20日(木)
 ●景気が良くならない●
 企業業績が良くなっても、一般国民が購買意欲をもたない限りデフレ回復などありえない。
 いまの経済政策は、銀行を健全化すればデフレスパイラルは解消すると思い込んでいないか。
 銀行は、付加価値を生み出す機能をもたない。金融サービス業は、負の付加価値としてしか働かない。
 銀行が健全化しても、付加価値を生み出す経済活動が回復しない限り社会全体の景気は良くならない。
 企業が数万人レベルのリストラをして、利益を出して健全な会社になっても、リストラされた数万人の労働者の雇用
を社会が吸収できない限り、景気の回復はない。
 国は雇用対策に取り組む必要がある。

2003年11月19日(水)
  MOT的思考:
 仕事柄、外国のベンチャー企業の技術者と一緒に仕事に取り組むことが多い。
 彼らの仕事振りをみて最近感じることに、日本人の仕事振りに比較して”スピード感”があることだ。
 いま日本では、汗を流して必死に仕事に取り組んでいる姿が見られなくなっている。
 恰好を気にせず仕事に取り組む彼らの姿は、スマートでは無いかも知れない。
 しかし、彼らが夢を追って仕事している誠実な姿は、美しい。
 日本から製造業が消えて行くのは、人件費が高いことだけの理由ではない。

2003年11月18日(火)
 「プロジェクトマネジメント〔西村先生)」の講義から。
 プロジェクトは、企画書からスタートする。
 企画書の前にまずは、”オリエンテーションシート”で情報を整理しよう。
 ”オリエンテーションシート”を紹介する。
 1.件名、2.依頼者、3.企画者、4.企画背景、5.目的、6.達成目標、
 7.企画条件、8.企画意図/切り口、9.企画内容、10.提出期限、11.企画予算、12. 備考
を一枚の紙に書いてみる。短いことばで、キーワードで。 

2003年11月17日(月)
 ●大学改革●
 少子化で大学の経営が厳しいという話を聞く。
 しかし、グローバル化を進めれば、そんな心配は無用である。
 グローバルな時代にはグローバルな戦略を大学は持つべきだと思う。
 日本の技術が世界に通用するのであれば、世界に通用するグローバルな大学を作ることは容易である。
 英語で講義する大学。半分以上が外国人で構成される大学。
 国際社会で通用する人材が豊富な日本。
 世界に通用する大学がすぐにでも、出来そうである。

2003年11月16日(日)
 「プロジェクトマネジメント〔西村先生)」の11日の講義は、”プロジェクト計画の策定手順”についてだ。
 プロジェクトを進めるとき、計画は重要だ。
 昔のことを思い出した。
 ”計画を立てられて一人前”は、私がプロジェクトを担当して体験的に学んだこと。
 仕事(作業区分)を理解し、仕事の進め方(仕事の手順)を理解して、作業担当者のスキルを把握できてなければ、
作業の組立は出来ないし、管理(マネージメント)が出来ない。
 "線表かけて一人前”ともいう。プロジェクトリーダは、線表(作業計画)を書けるスキルが必要だ。

2003年11月15日(土)
 MOT的思考:
 当時者意識を持って語る。
 一人称でモノを語る。
 注意しないと、いつのまにか評論家になってしまう。
 プロジェくクトの問題を検討し、関連者の中で発言するとき自分を評論家にしないことだ。
 学校では評論家であることを許してくれるが、実務では評論家であることを許してはくれない。
 そこに大きな違いがある。
 
2003年11月14日(金)
 「マーケティング(亀井先生)」の授業でIMCの講義を受講した。
 IMCは”統合型マーケティング理論”といわれる。日本では取組みが遅れているとのこと。
 授業では、そのIMCがなかなか理解できなかった。
 講義資料を帰りがけの電車の中で読んで帰ってきた。
 でも、まだまだ分からない。
 消費者の市場環境、顧客環境が大きく変わってきている。
 「買わない」「売れない」「魅力ない」「関心なし」「期待なし」が現状。
 インターネットの急速な成長と、企業が消費者とコミニュケートする方法の本質的変化が起こっている。
 ”IMCは、現状のマーケティングを学ぶ上で理解しなければならない課題だ”が分かってきた。
 
2003年11月13日(木)
 MOT的思考:
 特別課題研究にとりくんでいる。
 児玉先生が書かれた「ハイテク技術のパラダイム」の中で
 ”ハイテク時代の技術開発においては、もはや技術的なボトルネックの解消が問題
ではなく、技術をどのようにして使うかが問題であるといわれている。
 すなわち技術開発需要の「明確化過程」が重要になってきている。”
 1991年に発行された本であるが、革新的なパラダイムの変化を説明している。
 「技術の需要表現」といわれる内容が事業を行うには、明確にしなければならない課題だ。

2003年11月12日(水)
 [MOTシンポジューム]
 芝浦工業大学大学院工学マネージメント研究科の第一回MOTシンポジウムは
「大学発イノベーションをいかにして企業化するか」の統一テーマで22日の土曜日に行われる。
 「研究開発からビジネスへ」との吉久保先生の特別講演も関心ある。
 どんなアイディアが優れていても事業化できるわけではない。
 事業化に悩んでいる。会社として経営ができるには、大きな壁がそそり立っている。
 ベンチャーの事業について、具体的に検討していく。

2003年11月11日(火)
 [IT革命雑感]
 IT革命という言葉を最近余り使われなくなったが、成功企業はIT化の波を利用して
社内改革を行っている。
 IT革命は、情報流通革命である。情報流通を時間軸で極度に最小化することで新たな仕組みづくりを行う。
 ”IT革命→社内改革”である。
 しかし、社内のIT整備が終わっても、社内改革が実現したわけでは無い。
 社内改革をIT化推進と整合させて、社内改革は実現してくる。
 IT化は、改革の手段である。目的は社内改革にある。目的を外してはならない。

2003年11月10日(月)(v2)
 土曜日に行われた「地球社会論」の授業の雑談のなかで、宗教をビジネスとして
みた場合のブランド戦略を意見交換した。
 「宗教は歴史的にマーケティングが十分に行われている。」
 「宗教をビジネスとしてみた場合、学ぶべき点は多い。」
 「ブランド価値をたかめることに日々こだわっている。」
 「他宗教との差別化戦略も明確だ。」

2003年11月9日(日)
  「マーケティング論〔亀井先生)」の中で、”ブランド・エンジニアリング”はあるが、
”エンジニアリング・ブランド”は無いといわれた。
 日曜日に近くの本屋に出かけて、さっそく”ブラン・エンジニアリング”と題する本を
買い求めた。次のステップで”エンジニアリング・ブランド”を研究しよう。

2003年11月8日(土)
 「特別課題研究(児玉先生)」が今日の10時からスタートした。
 まず各人の取り組み方針が整理された。
 児玉先生の所で研究に取り組まれるのは8名の学生だ。
 私は先生の取り組まれた、分析系のところを現在まで改めてなぞって見ることとした。
 毎週、土曜日の朝、ミーティングは行われる。

2003年11月7日(金)
 今日は学校で遅くまで明日行われる「プロジェクト演習(田島先生)」のレポート作りに取り組んだ。
 今回のテーマは”グローバル化と技術課題”であり、”日本における外国人労働者の扱いと課題
− 米国のグローバル人材調達戦略に学ぶ −”と題して取り組んでいるところだ。
 まとめでは、”グローバル時代における日本の取り組み”として、教育問題の項では、
 ・ 少子化のなか外国人を広く受け入れる教育システムの構築の必要性。
 ・ 大学自体の改革はグローバル社会を想定して行う。
 ・ グローバルな大学にするのは、英語で授業する必要がある。
 ・ 平等に教育することから、個性を伸ばす教育に変える。
 以上を報告書のなかで提言していきたいと考えている。
 先生に提出する報告書は、レポート形式で、1月末が締め切りになる。

2003年11月6日(木)
「イノベーション経営(渡辺先生)」に授業のなかで、”エコノミスト”に掲載された
事業転換の記事が紹介された。
 @ヒユーネット:建築会社から液晶事業
 A日立造船:造船から環境
 Bブラザー工業:ミシンから情報機器
 C日本ゼオン:塩ビから携帯電話用カメラレンズ
 Dセーラー万年筆:文具メーカからロボット事業
事業転換を行うには、トップの強い意志が必要であるといえる。

2003年11月5日(水)(v.2)
 MOTにおける「マス・メディア」に関するゼミを
マスコミ出身の嶋矢先生に打診している。
 いま考えているテーマは、
  @「企業広報のあり方」
  A「企業の社会的責任」
などだ。
 企業の社会的責任がいろいろな局面で問われる。
 経営者にとってメディアとの係わり合いは重要な課題だ。

2003年11月4日(火)
  「マーケティング論〔亀井先生)」で提出したレポート「私とマーケティング論」について
10月23日に一部を紹介したが、今回は”ブランド雑感”を紹介する。
 ■”ブランド雑感”
 「ブランド」という言葉の日本語的訳を考えてみました。
 カタカナの言葉が通用する背景に、その言葉を使う状況が無いことが理由だと思うからです。
 「ブランド」に近い言葉に、「暖簾(のれん)」という言葉が近いように思えてきました。
 老舗といわれるお店は、まさに「ブランド」戦略に取り組み長年の伝統を活かしながら「暖簾」価値の向上に努めてきたように思えます。
 「マーケティング」、「ブランド」は、外国からのものです。「伝統的日本の商い」に学ぶべきところが全くないのかなと思ったのです。
 適切な日本語訳が見当たらない「ブランドエクイティ」は、いろいろ考えたら、「暖簾のおもみ」かなとも思い当たったのです。■

2003年11月3日(月)
 事業計画を立案する際に必要なことに、仮説をたてることがある。
 仮説は、仮説なのだが、立案できなければ何もスタートしない。
 ”仮説をつくろうとすること”、次に”仮説を実現していく具体的取り組み”が大切である。
 以上が、今日の研修で学んだことである。

2003年11月2日(日)
 土曜日に行われた、学内の「ビジネスプランコンテスト」で応援をしていた
Kさんが「新光証券賞(特別賞)」を受賞した。
 ビジネス提案は、バイオベンチャの実験施設の提供ビジネスだ。
 受賞の背景には、MOTの多くの学生が協力してくれた。
 資料やデータを集めてくださいました皆様のおかげで審査員からは
「よくマーケティングが出来ている」とのお褒めを頂くことも出来た。
  みんなのおかげです。

2003年11月1日(土)
 岡本先生主催の英会話の勉強会が土曜日の朝、9時30分から開かれている。
 そこで、こんな英語の格言が披露された。
 If you are not a part of solution, you are a part of problem.
 If you can not change your mind, you can not change anything.