百 稽 ( けいこ )
番 号 | 005 | 基本テーマ | 技術者の心得 5 |
- | - | タイトル | 次工程は、お客様。 |
概 要 | [マネージメント] 次工程をお客様としてみる。これで組織は良く回る。 |
本 文 | 「次工程はお客様」と思って仕事をしたい。 製造業において、開発・技術部門の次工程は、製品を製造をする工場である。工場では、開発部門で設計した図面から製品を、動くものとして作り上げていく。 往々にして、上位工程にいる開発技術者は偉そうに振舞ってしまう。工場は自分の指示で動く奴隷のように錯覚する。工場は、開発担当者からの情報をもらえない限り、製品作れないのだ。図面や作業指示書が分かりにくいのが、真の原因なのに、工場が図面を理解できない時、工場担当者は馬鹿だと一方的に転化してしまう。 私は、技術部門のプロジェクトを管理する立場にあったとき、部下となる人たちに指導してきたのが「工場はお客様だと思え」である。お客様として位置付けたとき、工場を非難することは単純にはできなくなる。クレーム処理のため工場に飛んで行くので、効率は向上する。 多くの場合、工場が理解できないのは、図面を作った側に原因がある。 これを書き方が悪いのとか、工場の担当者のスキル不足とかを、開発部門で分析しても無駄だ。それを部門内で、議論しても、解決はせずに、工場のものづくりは進まない。 よく起こることなのだが、そんな時に私は、「工場はあなたのお客様なのだから、まずお客様の言い分を聞いてきなさい」と指導してきた。 工場から帰ってきた担当者に「工場の意見を聞いて、図面に反映すべき改善の余地がなかったのか」と聞くと、多くの場合、図面に書き足りていない場合や、必要な部品の手配が抜けていたりの問題点が分かってくる。特に開発した製品の一号機を工場に流す場合には、問題が、多く発生する。 製造業において、次工程は工場である。 他部門、他の事業分野でも、「次工程はお客様」との姿勢で仕事したほうが効率的なことはないか。組織と組織をまたぐ問題、対等だと思うから時間がかかる。毎日、部門内で無駄な議論をしてないか、管理権限をお持ちのかたは、自分の組織を一度、再確認してみよう。 大企業病にかかった兆候はないか。 |